前回の続き
海外ツアーで行ったのですが、タバコでも一本ふかしている間に、ウエイターがやってくる。
このウエイターが他の店とは断然ちがっています。
たいていは六十がらみといった年齢で、自髪のいかにも経験充分といった連中だ。
やっぱりこの店もコーヒーがおいしい。
イタリアなら何をおいてもコーヒーだと思っているので、ここでも例外なくコーヒーだこういう店でコーラを注文している人を見かけるが、高い金を出して(このくらいの店になると、優に他の店の倍にはなる)、コーラなんか飲むことはないし、表通りにも立ち飲みのコーラだったらいくらでもあります。
立ち飲みでなくても、コーラはどこの店でも例外なく安く飲めるおっと忘れるところだったが、ここのウエイター氏、他と変わったところがもう一つあった。
その衣裳です。
彼らは燕尾服を着ているのです。
燕尾服といえば、ひところのコンダクターがタクトを振るときに着ていた、あのしっぽのある服です。